実体のない『モノ』に触れる未来—— 裸眼立体視と空中ハプティクス ——
3D映像は、見るだけではつまらない。
これからは、空中で『触れる』時代。
ディスプレイの中に閉じ込められた映像を見る時代は終わる。
特別なメガネなしで立体映像が見え、さらにその映像に「触れる」インターフェースを研究している。
目指すのは、あらゆる方向から自由に手を伸ばし、仮想物体と自然に関われる世界。



Vision × Haptics
「見る」と「触れる」を統合する2つの基盤技術。
物理的な制約を超え、感覚の拡張を実現する。
裸眼3Dディスプレイ
Stereoscopic 3D Display
特殊なウェアラブル端末を一切必要とせず、空間に像を形成。
パララックスバリア等の光学技術を活用し、左右の眼に異なる映像情報を提示することで、立体視を実現する。
Key Feature: 裸眼立体視 / 視差による空間結像
空中ハプティクス
Airborne Ultrasound Haptics
光の映像に「触れる」という物理的干渉を可能にする。
多数のトランスデューサから発せられる超音波を一点に集束。
その焦点で生じる音響放射圧が、非接触で皮膚を変形させ、触覚を知覚させる。
Key Feature: 音響放射圧 / 非接触触覚提示
「0.1秒」の遅延が、
体験の全てを崩壊させる。
空中像への接触と触覚提示は、極めて高速なループ処理によって成立している。
しかし、全方位からの自由な操作を許容しようとした瞬間、
システムは「計算の壁」と「知覚の壁」に直面する。
センサ情報の爆発と処理遅延
手の位置情報と形状を把握するためには、複数の深度センサ情報をリアルタイムに統合しなければならない。 データ量の増大は即座に計算コストへ直結し、接触判定から触覚生成までの処理に致命的な遅延を生じさせる。
WARNING: Processing Overhead
Detection stability drops significantly during multi-angle interaction.
脳が拒絶する「数ミリ秒のズレ」
人間の感覚は、視覚(目で見た手の位置)と固有受容感覚(自身が感じる手の位置)の不一致に対して極めて敏感である。システムにわずかでも遅延が生じた瞬間、触感に違和感を感じさせる。ロバストな同期なしに、リアリティは生まれない。
FATAL ERROR: Perceptual Mismatch
Immersion is broken by strictly low latency threshold.
この「遅延」と「不整合」を解消し、堅牢なインタラクションを実現するための第一歩。
時分割という解決策
論文『時分割表示による粗インテグラル式裸眼立体ディスプレイの偽像抑制』より
高速切り替えによる視野拡大
画面を高速で切り替える「時分割表示」を導入した。これにより、光学的な解像度を維持したまま、見える範囲(視野幅)を拡大することに成功した。
黒の挿入による画質向上
切り替えの瞬間に「黒い画面」を一瞬挟むことで、残像(ゴースト)をリセット。これまでになくクリアな立体像を実現した。
堅牢なシステムへ
この技術により、複数人で覗き込んだり、手を大きく動かしたりしても映像が破綻しない、実用的なインタラクションシステムへ一歩近づいた。